東松島生まれのおのくんストーリー

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Onokun’s Story

おのくんは、靴下から生まれたソックスモンキー。
宮城県東松島市「小野駅前応急仮設住宅」で誕生したキャラクターです。

2011年、東日本大震災。
それまで当たり前だった、ゆったりとした暮らしは一変しました。
先の見えない不安と困難のなかで、仮設住宅に暮らすお母さんたちは
「それでも、東松島のことを知ってほしい」
そんな想いを胸に、針と糸を手に取りました。

こうして生まれたのが、おのくんです。

「売る」のではなく、「来てもらう」

最初のきっかけは、東京・銀座での物産展でした。
東急百貨店の協力を得て、スタッフ50人体制で開催されたイベント。
そこに、あとから加わったのが「おのくん」でした。

けれど、おのくんは“必要なもの”ではありません。
2か月目には「友達にあげようかな」と思えても、
3か月後には「どうしようかな」と迷ってしまう存在。
それは、東京でも同じだと分かっていました。

だからこそ選んだのは、「販売」ではなく、
東松島に来てもらうこと。

10万円での購入を申し出られても、お断りしました。
「おのくんに会うなら、ぜひ東松島へ来てほしい」
その想いを大切にしたのです。

里親と一緒につくる、おのくん

おのくんは、買うものではありません。
おのくんを迎えてくれる人は「里親さん」。
おのくんは、里親さんと一緒に育っていく存在です。

手作りのものだからこそ、応援してもらえる。
その輪は少しずつ広がり、里親募集は話題となりました。

NHK「あさイチ」で特集され、3日間おのくんは大ブレーク。
さらに、ドラマ『空飛ぶ広報室』最終回で
仮設住宅の暮らしが取り上げられ、注目は全国へ。

人と人がつながって、広がる世界

「東京でもイベントをやりたい」
そう思い立ち、以前に一度だけ連絡を取った帽子職人・いりさんへ相談。
「できますよ」
その一言から、わずか1週間後には
帽子とおのくんのコラボイベントが実現しました。

今では、イオンモールのHPにも掲載され、
社員教育の教材としても使われています。
社員も、お客様も、地域も巻き込みながら、
おのくんの物語は育ち続けています。

めんどくしぇ、の先にあるもの

おのくんは、ときどきぼやきます。
「めんどくしぇなぁ」って。

でも、めんどくしぇことの先には、大切なものがある。
めんどくしぇけど、心を込めれば、人はつながれる。

お母さんたちは、震災後一日も休まず、
今日もチクチクと、絆を縫い続けています。

おのくんを手にした一人ひとりが、家族になれますように――
だから、おのくんの本名は
「めんどくしぇ おのくん」

34万人の家族と、これから

おのくんのストーリーは、里親さんたちによって大切に育てられてきました。
たくさんの応援と協力によって、
おのくんには世界中に34万人以上の家族がいます。

SNSを中心にコミュニティが生まれ、
2014年には「でっかいおのくん」も誕生。
毎年、誕生祭が開かれ、
震災の経験を生かした3つの“かんきょう”活動も続いています。

防災 × 帽祭。
その意味を語れるように。
そして、
「東松島に、来てみてほしい」
その想いを、これからも伝えていくために。

めんどくしぇけれど!!
今日も、おのくんは活動の幅を広げています。

どうか、
東松島生まれのおのくんの応援を、よろしくお願いいたします。

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